日本家屋ではよく見られる、木の枠組みに和紙を貼り重ねた襖は、断熱性にも優れていて日本の気候に合った扉です。しかし、長期間使用していると和紙が破れてしまい、汚れなどが目立つようになってきます。今回は、襖を張り替えるタイミングと襖の張り替えにかかる費用についてご紹介します。
襖張替のタイミング
襖の張替時期は、家にもよりますがおよそ10年が目安とされています。張り替えを行うタイミングは、お葬式などの冠婚葬祭、年末年始といった区切りのある時期に行う方が多いです。襖は長い間手入れをせず放っておくと、劣化による色褪せや、湿気を吸ったことによるカビの発生が起こります。襖をきれいな状態を長く保つためには、日頃からこまめな換気と湿気の放出をさせる必要があります。特に湿気のこもりやすい部屋だった場合、通常よりも劣化しやすく、目安期間よりも早く張り替えをしなければなりません。
また、襖は換気のために開けっ放しにしてしまうと、重なった襖が反ってしまう原因となります。さらに和紙の日焼けが偏るなどの恐れもあります。
ほかにも、和紙にしわが寄っていることや、たるみ、紙のつっぱりが起きていたら張り替えのタイミングです。張り替えは自分でも行えますが、失敗する可能性もあるので業者に頼むことをおすすめします。
襖の種類
一見同じに見える襖でも、種類によっては構造や貼り方が違う場合があります。襖は大きく分けると「本襖」と「戸襖」の2つがあり、本襖は従来からある伝統的な襖です。木の枠組みに何枚もの和紙を貼り重ねてできています。和紙で作られている分、通気性が良く、多少のことでは反りができることはありません。
戸襖は、ベニヤ板に和紙やクロスを貼ってできています。本襖より通気性は悪いですが、衝撃に強いため破れるといったトラブルが起こりにくいのが特徴です。戸襖は和室と洋室の間の仕切りとして使われることが多く、重量感のある襖です。芯材は発泡プラスチックや段ボール材が使用されています。この素材で作られた襖は軽量で、比較的安く購入できます。しかし、耐久性がないため丁寧なメンテナンスの必要があります。
襖に使われる紙の種類
襖の種類は襖本体だけではなく、貼られている紙にも種類が存在します。「鳥の子タイプ」と「糸入りタイプ」の2種類に分けることができ、最近ではビニールでできたタイプのものも普及しています。
鳥の子タイプは和紙でできており、糸入りタイプは糸で織られた紙のことをいいます。作られる材料や工法によっても価値が変わるため、安くておよそ2,000円、高くて5万円以上になるといわれています。一般住宅で使用する襖紙はおよそ5,000円以内で購入することができます。
襖にかかる費用
襖の張り替えを業者に頼む場合、一帖あたりの値段で費用が変わります。襖に使用される和紙の種類によっても金額が変動するため、参考として平均費用をご紹介します。一般の家庭で使用される和紙は、鳥の子タイプ、織物タイプの安価なものでおよそ4,000円程度となっています。ただしこれは一般家庭でも比較的安価なものを使用している場合で、より質の良いものに張り替える場合には1万円以上の費用がかかる場合もあります。ケースバイケースで金額は変わるため、あくまでも目安程度に考えて見積もりを取るようにしましょう。
襖の張替は業者以外にご自身でも行うこともできます。その場合は、クロスやさらに安いもので代用が可能です。
襖を自力で張り替える注意点
自力で襖の張り替えを行うことによって、業者に依頼するよりも安く仕上げられます。張り替えに自信がある方や挑戦してみたい方は、一度ご自分で行ってみるのも良いでしょう。張り替えを行うときに使用する道具は、インターネットで一式購入できます。DIYで張り替えを行う場合には、費用的に業者よりもはるかに安価に行えます。張り替えをするにあたって、のりやアイロンを使って貼り付けるタイプと、あらかじめのりが付いているものやシールタイプの和紙があります。
注意しなければならないのが、襖に使用するタイプの選び方の間違いと仕上がりです。和紙にはさまざまな種類があるので、襖のタイプによって貼れるかどうかをしっかり確認しましょう。和紙の貼り付けに失敗した場合、ひどくゆがんでしまい見栄えが悪くなります。一度でもご自分で張り替えを行うと、次からは業者に依頼できないデメリットもあります。断られたり、別途料金の支払いが必要になる場合もあるので注意しましょう。
まとめ
襖の張り替え作業はご自分でも行えます。しかし、一度自力で行うと業者に断られる可能性があるので、DIYなどに自信がある場合や挑戦したい方以外はおすすめできません。今後業者に依頼できなくなる可能性があるなどのデメリットを理解した上で、自己責任で行うことになります。また襖には本体と紙で種類があるため、間違わないように注意しましょう。
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